今回は、『仕事も人間関係もすべて面倒くさいと思ったときに読む本』(石原加受子)を読んで、「心が疲れている人に伝えたいポイント」を私自身の視点から三つご紹介します。
・何もやりたくないほど心が疲れ切っている方
心が疲れていると、すべてに対するやる気がなくなりますよね。
そんな自分を責めずに、心が楽になるための少しの意識から始めてみましょう。
ポイント①:「怠けている」を「休憩している」に変えてみる

人間には「~しなければいけない」といった思考と、「~したい」といった感情があります。
例えば、あなたは仕事がはかどらずに疲れており、気が付いたら少しの時間ウトウトしていたとします。
そんな時、あなたに対して周りの人が「眠っているの」と声をかけました。
さて、あなたならこの言葉をどのように受け止めますか?
普段から「~しなければいけない」というような考え方をしている人の場合、

はぁ、仕事中に眠ってしまうなんて。
今の言葉って、私のことを責めていたのかな…
と、罪悪感を覚え、周りの人にとがめられたように感じてしまうかもしれません。
その一方で、普段から「~したい」といった感情で動いている人の場合、



少し眠ったらすっきりした~
よし、今から気合を入れて頑張ろう!
と、眠ったことに対してプラスに考えることができます。
このように、同じシチュエーションにおいても、考え方ひとつで気持ちが大きく変わってきます。
そのため、今回の場合では、眠ったことを「怠けてしまった」というのではなく、「休憩した」といった考え方にすることで、前向きに捉えることができるのです。



普段から「~しなければいけない」という考えではなく、「~したい」という感情を大切にしていきたいですね。
ポイント②:「自分を犠牲にして」いたら、いいことはない


「私は自分を最優先で考えています」
突然ですが、あなたはこの言葉を聞いてどのように感じたでしょうか。



それは素晴らしい考え方だよね
この女性のように感じる方もいるでしょう。



それって、他人への思いやりがないっていうことじゃないのかな?
その一方で、こちらの男性のように、マイナスに受け止める方も多くいると思われます。
しかし、「自分を大事にすること=相手を大事にすること」なのです。
これを反対に言うと、自分を犠牲にして相手に尽くしすぎることは、相手にとって悪影響になりうるということです。
では、働いていた会社が倒産し、途方に暮れている太郎さんと、太郎さんの恋人である花子さんの例を考えてみましょう。



ああ、もう絶望的だ…
これからどうやって生きていこうか…
このような状態になっている太郎さんに対して花子さんは、



太郎さんの身の回りのことは全部私がやるから、ゆっくりしててね!
というように、元気になってほしいという想いから、太郎さんに尽くしていました。
しかし、このような状況が長期的に続くと太郎さんはどうなるでしょうか。



自分は一人では何もできない人間なんだ…
このように、元気になるどころか、自分が何もしていないということから、生きる気力が今まで以上に失われる可能性が大いにあるのです。
つまり、花子さんは太郎さんのことを想って尽くしていたのにも関わらず、むしろその行為が太郎さんを苦しめてしまうのです。
そのため、相手のためにも、相手に尽くすばかりではなく、自分を優先にすることが非常に大切なことなのです。
ポイント③:「人」と「行為」を区別すると、楽になる


例えば、あなたの嫌いな人が、あなたの仕事を手伝ってくれたとします。
その時、あなたはどのように感じますか。
相手に嫌な気持ちを抱いていなければ、当たり前に感謝できても、その人が嫌いであるがために、素直に感謝の気持ちを持てないという人も多くいるのではないでしょうか。
しかし、このように考えてしまうとより一層相手のことが気になってしまうため、自分としても気持ちの良いものではありません。
このような時は以下に述べる4ステップをすることがお勧めです。
- 相手のことが嫌いならば、嫌いであることを自分で認める
- 相手の好き嫌いと、相手がしてくれた行為を分けて考える
- 相手がしてくれた行為に対して感謝をする
- 相手に「ありがとう」と伝える
このように、「(あなたのことは嫌いだけど、手伝ってくれたことに関しては)ありがとう」と一度思ってみましょう。
そうすることにより、相手に感謝を伝えられるのと同時に、相手との心の距離がむしろ大きくなるため、自分の心も楽になると思われます。



嫌いな人に感謝を伝えるのは嫌かもしれませんが、「行為」に対して感謝を伝えると考えるといいですよ。
まとめ
ポイント①:『怠けている』を『休憩している』に変えてみる
ポイント②:『自分を犠牲にして』いたら、いいことはない
ポイント③:『人』と『行為』を区別すると楽になる
この『仕事も人間関係もすべて面倒くさいと思ったときに読む本』は、話口調で書かれているため、非常に読みやすい本となっています。
実際に「すべて面倒くさい」と思っている方は、本を読むことさえも面倒に感じるかもしれませんが、すべてが嫌だという今の状況を変えるための一歩になるでしょう。
何かヒントを得られるかもしれないので、是非一度読んでみてください。



